裁判傍聴

今日は例の「坊主さんが賽銭泥棒捕まえました事件」の初公判である。

福井地裁の2号法廷で小一時間行なわれましたが、なんとも言えない雰囲気でした・・・

今日は火曜日でしたが、火曜日は地裁は刑事事件の裁判は「合議部」と言うのが担当します。裁判官が3人つくという豪華版です。裁判官が3人つくというのは穏やかではありません。

午後1時半開廷。警吏2人にしょっ引かれながら被告登場。67歳という年齢よりは少しだけ若く見える。

まずは裁判官の質問から。

が、質問に答えない。
被「もっと大きい声で喋ってください。耳が遠いもんで・・・」
裁「補聴器はつけてますか」
被「補聴器は前にもらったものがありまして・・・」
裁「いや、つけてるんですか!?」
被「・・あ、はい」

・・・・と、何だか出だしから一方通行気味の応答である。大丈夫だろうか・・・

そして名前を聞かれる被告。
裁「あなたの名前を答えてください」
被「浩宮親王こと○○○○です!」

俺は思わず座っていたイスから滑り落ちそうになりましたw

裁「今、浩宮と言いましたが、これは皇族の・・・・」
被「そう、親王内親王じゃないですよ。内親王は女性ですから!」

もうわけわかんないよw

で、黙秘権の話。
裁「あなたには黙秘権があります。言いたくない事があれば言わなくても構わない」
被「言いたい事があります。こことここは事実と違う・・・」
おい、今は黙秘権があるって話をしてるんだって。いきなり主張してどうするw

まあ、こんな感じで簡単な被告人質問からこの調子。しかも悪いことに、この被告はとにかく言いたいことを喋りまくって(しかもえらい早口で)、裁判官の制止もなかなか聞かないのである。裁判官が苛立っていたのがよーく判った。弁護士さんの制止も検察官の制止も聴きやしない。

俺が思うに、被告はちょっと精神的に問題があると思う(浩宮発言などその最たる例かと。いわゆる『血統妄想』って奴ですね)統合失調症かなあ・・・

で、起訴事実の検察側からの朗読。罪状は「強盗致傷」。窃盗未遂より検察側は重く取ったわけです。

被告は中学卒業後名古屋で工員として働いた後職を転々とし、10年程前から無職で、無職となった頃から金銭目的で賽銭泥棒を繰り返し、一度懲役1年執行猶予3年の判決を受けたあと、小浜で賽銭ドロを行い今度は懲役6ヶ月の実刑を食らっている。
窃盗、軽犯罪法違反(多分第1条の1〜4項とかだろうけど)で前科11犯、ということである。
最近は舟で寝泊りしていた、とのこと。立派なホームレスですね。

それで、起訴事実について被告は「一部不同意」するという。
つまり、「坊主さんに怪我を負わせた」のではなく「坊主さんが勝手に怪我をした」と言うこと。
坊主さんが投げを打った瞬間に坊主さん自身も倒れて勝手に擦過傷やらを負った、坊主さんの顔にシノを突き出してはいない、坊主さんの首をしめたんではなく向こうが袖を掴んできたので掴み返しただけ、ろく軟骨骨折も交通事故の後遺症のものだ、と。
要は、「強盗致傷」ではなく「窃盗未遂」である、と訴えたいわけだ。
被告の国選弁護人さんも(この人はよく地裁の裁判で見かける、主に国選弁護を担当されている方です。ご苦労様です・・・)「窃盗未遂までは認めるが、被告が暴行に至ったのは坊主さんに投げられて身の危険を感じ被告が防御のために起こったものと主張します。ただ、これがどう評価されるかはわかりません」と答えていた。

とにかく、被告が「暴行」したということと坊主さんの診断書(骨折したとか怪我したとかは認めないといっているから、当然診断書も認めないことになる)、それに犯行現場の状況が「不同意」となってしまったため、このままでは裁判が進まない。証人から詳しい状況を法廷の場で述べてもらうより他はない。

そこで、次回公判(10月28日木曜日午前10時〜)で、「坊主証人の証人尋問を行なうことを申請するしか」ということになったのでした。

うーむ、坊主さんとしてはこのオヤジの顔など見たくはないだろうし(俺も正直今日見たら引いてしまった・・・)わざわざ仕事休んでまで来ることもめんどくさいだろうが、白黒はっきりさせるためには必要だとおもう。

ただ最後の最後までこの裁判はもめるかもしれない・・・・被告のオヤジがあんなんだからなあ。